これアウト?不貞行為をしていなくて不倫とみなされてしまう行為とは

民法第770条に記載されている「不貞な行為」の判断は「肉体関係の有無」を基準に考えるのが通例です。
そのため、既婚者同士の男女が密会をしていた場合は、民法上は不貞な行為に該当せず、不倫とは認められません。
しかし、実際に肉体関係が無かったとしても「不倫とみなされる行為」があります。
巷では「一線を超えたか否か?」で議論がされた事がありましたが、実社会においての判断は状況証拠が優先される場面の方が多いのが現状です。
例え一線を超えていなかったとしても、火のないところには煙は立たず…。
疑わしき行為を行うと、社会的なペナルティを負う事もあります。
仮に夫に不倫の疑いがあった時ほど、妻も日頃の行いに細心の注意を払うべきでしょう。
思わぬところであらぬ疑いをかけられると、後の話し合いの席で不利な状況に追いやられる可能性も出て来ます。
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特定の男性と繰り返し会う
「夫が不倫しているかもしれない」と、知人の男性に相談するケースが想定されますが、これも会う頻度が多くなると逆に不倫の疑いをかけられることになります。
実際に、最初は相談だけが目的だったはずが、いつの間にか妻側も不倫関係に落ちていく…という前例は数え切れません。
「妻も特定の男性と頻繁にデートをしていた。」と夫側に主張され、二人で会っている写真などを抑えられてしまうと話が面倒になります。
例え不貞行為が無い…と判断をされても、裁判官への心証への影響は間違いなくあるでしょう。
結果として、請求した慰謝料が減額される事が想定されます。
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キスやハグをする
世界的に見て…と言いたいところですが、残念ながらここは日本。
諸外国では挨拶程度の行為であっても、日本では愛情表現行為として認知されています。
もちろん、これだけでは不貞行為としては認められませんが、キスやハグをする間柄では、一定以上の親密な関係と判断されるのが通例です。
但し、場所や状況によっては「性的な関係がある」と判断されてしまう可能性もあります。
例として
- ■ラブホテル街の近くでキスやハグをしていた所を目撃/撮影された
- ■挨拶程度の軽いものではなく、恋愛関係を連想させる濃密なスキンシップだった場合。
- ■人気の少ない場所での車中等、密会をしている要素が強い場合。
これはスキャンダル系の週刊誌でスクープされる有名人カップルの写真をイメージすると良いでしょう。
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性交類似行為と判断される関係
言葉の定義としては「性交と同視し得る性的行為、また性交と同視しえる状況」解釈されています。
例として
- ■性交を模して行われる手淫/口淫
- ■特定の男性と宿泊施設(特にラブホテル)を利用する行為
- ■出会い系サイト等、不貞行為を前提として利用しているサービスの利用履歴
夫の不倫を疑っていてここまでやってしまう女性は少ないですが「出会い系サイトの利用」に関しては注意が必要です。
スマホが普及し気軽にサービスを利用しやすくなった分、気分転換程度の安易な気持ちで登録をする人が増えています。
出会うつもりは無くメール交換や日記機能だけを利用していたとしても、調停の席では不利な材料になる可能性は高いです。
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自衛するためには?
一番良い方法は、第三者に相談するなら「専門家に依頼して事務所で行う」です。
専門家が業務として行う相談は費用が発生しますが、その分、記録もしっかり残るので夫側に「妻も不倫をしていた!」と言いがかりをつけられても即論破できます。
また、専門家は守秘義務もあるため相談内容がうっかり流出する危険性は極めて低いです。
「費用的に難しい…。」「そこまで深刻ではない…。」場合は「女性の友人とオープンスペースで」がオススメ。
同性の友人であれば不倫を疑われることはまずありません。
反面、女性は噂話が好きな傾向があるので相手を選ぶところは各自の責任になります。
どうしても「相談できる相手が特定の男性しかいない」場合は、オープンスペース(カフェやレストラン等。同じ飲食店でも個室居酒屋はNG)の利用が必須。
その際「会う回数は2〜3回に留めておく」「レシートは必ず取っておく」の2点に気をつけてください。
レシートがあれば、相談目的で会った記録になり、店員も目撃者=証人になってくれます。
夫の不倫が疑わしい時ほど、一息ついて冷静になってください。
単に仕事の失敗を妻に悟られないように…と挙動不審になっていただけで、調査結果は「シロ」だったという例もあります。
そんな時に疑わしい行為をしてしまうと(不貞行為を行なっていなかったとしても)夫婦関係が悪化するだけでなく、逆に離婚訴訟を起こされて慰謝料を請求させる可能性も否定できません。